写真を生活の中に。高級コンパクトカメラFUJIFILM “X100VI” レビュー

どうしてこうなってしまったんだろう。そんな評判のカメラで名高いカメラ、X100VI。

とても良いカメラなのに謎の需要のせいで転売が相次ぐという今まででは考えもできなかったブームが巻き起こり、予約すらできないという事態になっているカメラです。私も今までX100F、X100Vと購入してきていたので買おうとしていたのですが予約すらできずにもうどうでも良いやとなって買うことを諦めていたのですが運よくよく手にする事ができました。ちなみに僕はX100Vを知人に中古10万ほどで譲ったバカ人間です

どうして諦めたのにまた買おうと思ったのか、このカメラの良さは、悪さは。歴代のシリーズを使ってきた人間として率直に使った感想など書いていければと思います

【過去記事】X100Fと私の1年2ヶ月

【過去記事】唯一無二の魅力。“X100V”レビュー

FUJIFILM X100VI

見た目

全面の切り替えダイアルの赤点が消えたのでよりブラックな印象が高まっています

軍幹部

丸みを帯びた印象と直感的なダイアル

正面

完璧なクラシカル

ダイアル

ダイアルを持ち上げることによりISO感度の変更が可能

レンズ

X100Vから変わらずF2のレンズ

OVF

ハイブリッドビューファインダーのため光学ファインダーも搭載

EVF

369万ドットのEVFが搭載

操作部

十字パッドはないもののジョイスティックも搭載されており快適操作

手に乗るサイズ…そしてポケットにも入る…冬服ならね。夏物にはどうしても入らないのでそこがGRとの違いだと思います。でもやっぱりEVFがないとテンションが高まらないので

GFX100Siiと比較するとその大きさがわかりますね。いや逆に100sii小さくない?と思ってしまうかも

Good Point

01


共通点

EVFがあってノスタルジックネガが使える

このカメラを買うにあたって一番最初に考えたことがメインカメラであるGFX100Siiと同じ環境にしたい、ということでした。最近だとノスタルジックネガを多く使うようになったのでそれを考えると富士フイルムの最新機種しかないとなり、以前Sigma fpを使用していた時はEVFがなくてどうにもテンションが上がらなかったためX100VIとなりました

E4はどうなのかとたまに聞かれるのですが以前E4+XF27mmを使用していた事があったのですがやっぱり解像感もボケも微妙で手放した経緯があるので買い戻しはしませんでした

02


クロップ

クロップしても綺麗な写り

標準だと23mmになるので長い焦点距離で使いたい時は多くなるのですがこのカメラにはデジタルクロップがついているので綺麗に引き伸ばす事ができます。以前までのクロップは画素数の問題もあ理、のっぺりしていたのですが4020万画素の恩恵もあり75mm付近にしても写真は綺麗です

ただ、RAWで撮ると取り込んだ時に23mm時の状態で保存されるので意味がない時が多いです…要改善ですね

03


体験

写真体験としてのX100VI

撮れ高も大事ですが撮影している時のテンションも大事です。コンパクトだしEVFもあるしクロップもあるしデザインもいいし…と持ち出したくなるカメラ、撮影がしたくなるカメラというのがスマートフォンにはないカメラとしての魅力だと思っているのでそれを全て満たしてくれているのがこのカメラなんだと思います

04


デザイン

デザインの良さと所有欲

このカメラ人気に火がついた理由の最たるところですがデザインの良さと所有欲を満たしてくれるところにあります。クラシックデザインのカメラというものは数えられるほどしかなくそれで写りと利便性と…となると選ばれるのは必須。少しずつデザインも進化しているカメラなので今後どのようなデザインになるのか期待できます

Weak Point

01


配置

同時使用時のボタン配置

X100VIしか普段使わないのであれば問題にならないのですが富士フィルムの他のカメラも同時に使用しているとなると話が変わってきます。かなりストレスがかかるところになるのですがGFX100Siiと比べてbackボタンとplayボタンの位置が真逆なので間違えて押してしまいます

世代がかなり離れたカメラならわかるのですがお互い最新機種で発売日も大きく離れていないのにこの設計だと開発は何を考えているのだろう?と思わずにはいられないです

02


安っぽい

樹脂部分の安っぽさ

かなりの金額がするにも関わらず樹脂部分が昔と変わらずカッチカチで安っぽいのが受け付けないです。ボディの薄さを考えると難しいところもあるのかもしれませんがもう少し樹脂に手が沈み込むような手触りのものに変えられないものでしょうか?

安いカメラならともかく高級感を売りにしてブランディングしたいならこういうところは手を抜くべきではないですね

03


価格

値段の高さと手に入りにくさ

28万円として売り出されているこのカメラ。転売だともっと値段はするのですが定価の時点ですでに高いです。カメラ自体の高騰や円安の影響もあるのはわかりますし、とてもいいカメラですがどれだけ高くても25万、個人的には22,3万くらいが妥当だなと思ってしまいました

そしてこれだけの金額を出そうにも欲しい時に手に入らない在庫流通量なのはいただけない。これがライカの目指したブランディングというやつですかね

04


造り

グリップと手ぶれ補正のプルプル

個人的な要望にはなりますがデザインを追い求めるのであればグリップは要らないかなとも思いました。しっかり握りたい人はつければいいし手ぶれ補正もあるし小さいのでそこまでグリップは必要ない気がします

あと電源オフ時の手ぶれ補正のプルプル動くのはなんとなく怖いです。他のカメラでもこんなには動かないので故障かなと疑っちゃいました。まぁ色々言いましたが概ねいいカメラです


オールインワンを、
良いデザインに。

GFXを使っているのでやはりGFXが好きだと叫んでしまうのですがカメラを一つだけ持つのであれば、と問われればこのX100VIが持つデザイン、写り、オールマイティさを考えると悩んでしまうことは間違い無いです

不名誉な言われ方もしたこのX100VIですがメインカメラとしてもサブカメラとしても素晴らしいカメラなのは疑う余地はありません。GRとの比較でも問われることは多いですが中を見てみると全く違う性質を持つ両者なのでX100はX100、と言うのが結論でしょう

F、Vと続きようやくVI。これ以上の進化はあるのでしょうか。いやでもこのカメラなら長く付き合っていけそうだ